2016/10/25

医療界のキーパーソンに聞いてみよう

認知症の困った症状は、「問題行動」と呼ばれていましたが、現在はBPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia:行動・心理症状)が一般に用いられるようになっています。但し、この行動・心理症状は認知症そのものに起因すると思われがちですが、診断とそれに基づく投薬によって生じることもあります。


「怒りっぽくなった」というのが、実は処方された薬のせいということもあります。また、食べられなくなって寝たきりになってしまったということが薬のせいということもあります。
「年だから」とか、「認知症が進行したから」という理由だけでは片づけられないこともあるのです。

即ち、BPSD3(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia by Diagnosis and Drug)というわけです。Diagnosisは「診断」なのですが、「鑑別・見立て」でもいいでしょう。認知症は初期にはアルツハイマー型認知症(ATD)だと診断されていても、進行するにつれてピック病(前頭側頭型認知症、FTD)と診断名を変えて適切に治療薬を調整した方が良い場合もあります。初期の診断名に拘らないことも大切なのです。
だから、「診断」というよりは、「鑑別・見立て」なのですが、この「鑑別・見立て」は医師ではなく介護者もしっかりとできるようになりたいものです。翻って、これができていない事例が後を絶ちません。

「認知症はなぜなかなか良くならないのか、私たちは認知症に対して何ができるのか」 この命題に対するひとつの答えは、従前からある「BPSD」にDiagnosis Drug を加えて「BPSD3」として対処する力を身につければよいのです。

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長尾先生のお話しはこんな感じ・・・ 



オレンジプランと現実の乖離
認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~ と称して下図のような考え方が提示されています。. (詳しくはこちら→) 現実問題として、まだまだ道程は前途多難と実感させられます。
ショートステイ利用者の様子を見ていますと、認知症の治療をすればいいのに未治療であったり、薬が合っていないと思われる症例に気付くことがあります。中には未治療であるため、「もう2度と来ないで欲しい」と思うこともあります。

あるショートステイ利用者はアルツハイマー型認知症(ATD)なのですが、じっとして居られず、昼夜の別なく徘徊します。目的もなく入居者の部屋に入って行く、寝ている人を起こすなどの迷惑行為があります。注意すれば屁理屈を並べる、反省もない、といったことの繰り返しです。

最近、このショートステイ利用者は姿を見せなくなりました。介護負担が多いため、利用お断りとなったのです。残念であり、(家族にとっては特に)気の毒でもあるのですが、施設という集団生活に適合できなければ、介護サービスさえ満足に利用できなくなるのです。
受け入れ側にしてみれば、ただでさえ人材不足の中、「厄介」を請け負うだけの余力はもうないのです。一方、余力がないながらも、定期的な利用が可能な要介護者というのは「手のかからない人」ということになります。つまり、認知症であっても、おとなしく集団生活に適応できる中間証であることです。

「迷惑の移譲・たらい回し」しかできないような介護事業所には、地域包括システムの一翼を担う資格はなく、2018年の診療報酬と介護報酬のダブル改訂が実施される厳しい時代を勝ち抜く能力はない。