2016/03/17

第2回認知症治療研究会参加

第2回認知症治療研究会、開催される





日々疲弊するだけの日常を離れ、2泊3日で第2回認知症治療研究会(313)に行ってきました。テレビやインターネットでしか見たことのないパシフィコ横浜は凄い! 「こりゃぁ~、国内外の学会が開催されるにふさわしい施設だわぁ~!」 ただの田舎者の「おのぼりさん」の感想です。

「異業種交流」とか、「異業種連携」というのは、産業界ではよくある話しで特に珍しいことではありません。医療と介護の連携、チーム医療とかチームケアの必要性が広く叫ばれて久しいのですが、ケアを基軸に見てみると名ばかりで、ケアは末端に位置して置き去りにされているようにも思えます。これが認知症医療の現実なのです。だから、人手不足もあって、いつも介護現場は大変なのです。もはや、崩壊寸前の危機的状況

そういった現状に一石を投じる演題が、第2回認知症治療研究会にありました。「現在の認知症医療とケアでみえてきたコウノメソッド実践看護師の役割」です。
ベテラン看護師によって、ある介護付き有料老人ホームでの成功事例と問題提起がなされていました。現実問題として、看護師の認知症に関する知識は不足しています。そういうこに加え、現在の不適切な認知症医療(従って、医師)についても言及し、集まった数100名の医師を前に堂々と講演されました。




実に天晴れなことですが、こういう発表を許す研究会もまた懐が深いです。因みに、この研究会は製薬会社の協賛がありませんので、薬の副作用についても遠慮無く発表されます。
認知症の治療は専ら記憶機能低下などの中核症状に主眼が置かれていますが、認知症の治療ではむしろ周辺症状をターゲットとする治療が介護者には喜ばれます。このことについても、この演題では触れています。



参加者に配布された「第2回認知症治療研究会 プログラム・抄録集」(p.151N.1920)では重要なメッセージが記されているのですが、字が小さくて読みづらいので以下に転記します。(老眼の私には読めない)

コウノメソッドで認知症を学べば、医師でなくても85%の精度で認知症を鑑別できると河野医師は述べています。実際、その通りのことを私は実感しています。
そこで見えてくるのが、「医者はちゃんと患者を治療していない」ということです。
その結果、介護現場はただその不適切な治療の後始末をさせられているのだということです。そして、ほとんどの介護スタッフ(看護師、ケアマネージャも含む)は、そのことに気付いていないということです。ある意味、哀れなものです。

中でも大変なのが前頭側頭型認知症(ピック病)、陽性症状の強いレビー小体型認知症の入居者とショートステイ利用者のお世話なのです。日中の職員配置が多い時も、夜間の少ない職員の時も、これらの方々のお世話で疲弊するだけの介護現場です。

施設入居者であれば、入居受入時に診断と処方されている薬剤をチェックして、不適切な時には是正することができれば、それだけで入所前よりも穏やかになって平穏に暮らしていけると思います。ショートステイ利用でも、滞在中に認知症の鑑別は可能です。

「この入所者、症状が進行(悪化)してきたね」ということは、介護職が一番気付きやすいです。入所者に最も近くに居て、いつも様子を見守っているからです。
介護で困る状態にある入所者の存在は、他の入所者にとっても迷惑な存在でもあります。本来ならば受けられるであろう手厚い介護の機会を、その迷惑な人たちが奪っているという事実があります。

介護はサービスなのですから、できるだけ高品質でありたいものです。
高い品質を維持するためにも、より良い治療につなぐ体制を施設毎に整備しておくことは極めて重要であるといつも痛切に感じています。

接遇や介護技能だけでなく、実践的で正しい認知症教育を施設スタッフが受けられる教育システムを有する企業は世の中で評価され、競争が厳しい介護業界で成長を遂げるものと期待しています。
認知症急増の時代。きれいな部屋、おいしい食事、楽しいレクレーションの提供だけでは、他社と何の違いも特色もない、ただのありふれた介護施設なのです。

実用的・実践的演題がいっぱい
当日は以下の豊富な内容の講演がありました。医師のみならず、一般の方々も参加して認知症治療のお話しを聴くことができ、充実した研究会でした。



来年もまたパシフィコ横浜でお会いしましょう

2017226()の次回開催が決定しており、演題も既に素案が決まっています。今からワクワクしています。

この認知症オタク系介護福祉士のオッサン、帰りに羽田空港で迷子になり、搭乗手続きでそれに気付いた田舎っぺです。(写真は昨年の研究会にて)

お声をおかけ下さいました方々、ありがとうございました。そして何より、「縁の下の力持ち」の事務局の皆様、ありがとうございました。