2016/02/02

前頭側頭型認知症の症例

臥床介助時に、ベッド上に横たえたときにベッド柵を握り締めて放さないことがあります。介護上の妨げになるため握り締めた手を引き離そうとしても容易ではありません。「こんなもの凄い力があるのだ!」と、その残存能力に驚かされます。







   ベッド柵を握り締めて放さない人 ・・・・・ 全員が前頭側頭型認知症
   前頭側頭型認知症の人 ・・・・・ 全員が必ずベッド柵を握り締めるとは限らない
ということを知っておくと、認知症のタイプを識別する手がかりとなります。

アルツハイマー型認知症(ATD)やレビー小体型認知症(DLB)の人が、ベッド上に臥床するなりすぐにベッド柵を握り締めることはありません。勿論、認知症ではない人はしません。
従って、必ずベッド柵を握り締める行為がある人は、前頭側頭型認知症(FTD)と思ってよいだろうと思います。

症例(S)
盗食、用件があるわけでもないのに職員を呼び止める常同行動、介護抵抗

症例(TB)
手を差し出すと噛みつく(おちゃらけ)、暴言、介護抵抗

症例(TS)
暴力(つねる)、異食、盗食

ここで挙げた症例はいずれも、就寝介助時のパジャマ更衣も起床時の更衣にも協力することはありません。如何なる介助に対しても、常にベッド柵を握り締めています。

前頭側頭型認知症(FTD)の症状には下記もあります。
■落ち着きが無く、なかなか座らない
■腕組み、足組み
■ズボンのたくし上げ
■指しゃぶり
■口唇傾向
■歯磨きしない
■食行動の異常(異食、拒食、過食、掻き込み)
■ふざけ症(モリア)