2015/12/01

報道姿勢から見えてきた認知症の真実


認知症治療薬の処方量は、製薬会社によって段階的に増量していくように規定されています。
「まだ3mgなんだけど、これでちょうどいい感じになっているよね」って介護者が実感していても、製薬会社が決めた規定があるから医者は処方量を量を増やさないといけません。

  3mgでいい感じになっているのだから・・・
  5mgにしたらもっと効果が出てくる?
  10mgにしたら更に良くなる?

とんでもない! 抗認知症薬と言われている薬は、症状に合わせて反応(作用・副作用)を見ながらちょうどいい具合に効いているところで、その用量を維持するのが適切な治療なのです。

規定された用量通りに服用しないのがポイント

大手マスコミ、全国紙が一面トップで報じない真実

認知症治療薬の処方量をめぐる問題はもはや解決すべき重要課題であるにも関わらず、大きく取り上げられることなく、地方紙が一斉にトップで報じました。「ローカル紙」なので、初めて見聞きする新聞社の名前が多いです。全国紙の場合、製薬会社は広告主でもあるため、自主規制しているのでしょう。

共同通信が調べて全国の地方紙が一斉に報じた、認知症薬審査(レセプト)の実態では地域差があり少量投与を認めない県もあるということです。

「医師の裁量を認めよ」として、医師による適量処方を認め、患者個々の症状に合わせた「さじ加減」が必要とある大学教授のコメントが掲載されていました(下図、右側のコメント)


日本老年精神医学会、第25回集会
(20106)のプログラム・抄録集(p.127、Ⅱ-1-5)には、「塩酸ドネペジルの副作用と少量維持投与の必要性」という発表もされています。

立場による違い? それとも・・・

以下はその抄録から一部転記
塩酸ドネペジルは、アルツハイマー型認知症の唯一の治療薬であり、広く使われている。その作用は、意欲や認知機能の向上であるが、この作用によって、易怒性や暴言・暴力が悪化して介護が困難になるケースがしばしばある。このような場合には、塩酸ドネペジルを5mgから減量すると、易怒性や暴言・暴力が減少し、しかも認知機能の悪化も防げることが経験的に知られている。
また、この論文では、
前頭側頭型認知症で他医から塩酸ドネペジルを投与されていた3例では、塩酸ドネペジル中止により、BPSDが軽減して介護負担が軽減した。
とも報告されています。
【注記】
2010年のことなので、認知症治療薬は、まだ塩酸ドネペジル(アリセプト)しかありませんでした。この薬は、ATDへの適用が承認されているだけで、前頭側頭型認知症(FTD)への適用は当時も現在もありません。

アリセプト(塩酸ドネペジル)が登場して以降、早い段階から既に、易怒性などの興奮症状の副作用は指摘されていたのです。それが、今日に至るまで放置され、無視されてきたというのはどういうことでしょうか!? 

 ・製薬会社が利益至上主義を突き進んだから
 ・製薬会社から研究資金の援助を受けている大学(教授)は遠慮して真実を言えない
 ・マスコミは、広告主である製薬会社に遠慮・配慮している
 ・「医者の言うこと、治療に間違いはない」と、患者家族が勘違いしている


認知症治療薬のひとつであるアリセプトを服用している場合、「効果と見る場合」として下表左のことを言っているのですが、「副作用と見る場合」として下表右のように示しています。介護者にとって介護負担が増して迷惑がかかるだけとなれば、それは副作用であり、中核症状(記憶機能、認知機能)を改善することとの引き替えにするには代償が大きすぎます。