2015/10/09

認知症医療は論より証拠

認知症医療は論より証拠


「認知症は治らない」という医学界の常識をくつがえした画期的な治療法があった。 30年以上にわたり認知症ひとすじで医療に取り組んできた河野和彦医師が生み出したコウノメソッドが、今、燎原の火のごとく広がりつつある。本書は、全国各地で活躍するコウノメソッド実践医たちのルポルタージュである。従来の標準治療では起こりえない「奇跡的」な改善が、コウノメソッドにとってはあたりまえの日常風景であることに驚かされる。

認知症医療は論より証拠 現代書林発行
患者と家族を救うコウノメソッドの最前線ルポが現代書林より発行されました。本書は、同社から発行されたコウノメソッドシリーズ第5弾です。

河野先生の他に、コウノメソッド実践医8人の活躍が著されています。「認知症医療は論より証拠」、まさにその通りだろうと思います。
8人の医師がコウノメソッドに出会い、その治療方法を取り入れて行くまでの過程が記されているのですが、本書を読み進めていくうちに認知症医療への希望が湧いてきます。


論点を何処に据えるのか

前回このブログで、認知症医療の問題点として次の3点を指摘しましたが、これらはそのまま論点でもあります。
 ・抗認知症薬の増量規定の問題
 ・向精神薬の使用を認めないかのようなガイドラインが策定されようとしている問題
 ・認知症を治せる医師が不足しているという問題

これらの問題点を包括的に見据えて、認知症医療の在るべき姿をコウノメソッド実践医の活躍を証拠として提示しているのです。



「コウノメソッドって何?」、「それって信用できるの?」というコウノメソッドを訝しがることもまだまだあるようです。その一方、「コウノメソッドに沿って治療すれば、高い成功率で安全に認知症の困った症状を治せる。そりゃ、いいね!ウチでもやってみよう」と実際にコウノメソッドに沿った治療を行っている先生方8人の記録。それが、この「認知症医療は論より証拠」(現代書林)なのです。


コウノメソッド実践医の活躍について更に詳しく知りたい方は、現代書林から発行されている「認知症になったら真っ先に読む本」(現代書林、2012年)もお勧めです。コウノメソッド実践医第1号である脳神経外科医の岩田明先生(長久手南クリニック)による執筆です。

認知症医療には、介護者から医者への情報フィードバックが必要と述べておられます。そのためには、医者も介護者も認知症についてもっと学ぶべきであるとしています。

特に重要なのは、医者は認知症患者から謙虚な姿勢で学ぶということです。このことは、「認知症医療は論より証拠」の10章で実例を示しつつ、その重要性について著されています。