2014/06/13

プロフェッショナルの流儀・・・かな?

■ノックは3回
国際マナープロトコルだったか何だか忘れたが、トイレではノックは2回、部屋のドアではノックは3回となっているらしい。 介護はサービス業だから、こういうことにもこだわってみたいと思った。
それで、必ずこのプロトコルに沿うようにしてみた。

ある夜勤の時、いつものようにAさんの部屋のドアの前でノックを3回してからドアを開けた。 すると、
「おお~、あんたか。」
と、開口一番に言う。
「どうして分かったのですか?」
と、私が尋ねると、Aさんは、
「あんたは必ずノックを3回する。」
と、言った。

見ている人は、ちゃんと見ていると感心した。 因みに、Aさんはパーキンソン病である。 若干のレビー小体型認知症を感じることもある。 たまに幻覚(幻視)と妄想があるようだが、症状は軽い。


■テーブルを拭く前にひとこと
他人様の周囲1mくらいはその人のテリトリーである。 だから、テーブルを拭く前に必ず、「前を失礼します」とひとこと言ってからテーブルを拭くことにしている。 礼儀であることは言うまでもないが、認知症の症状観察でもある。

・アルツハイマー型認知症の人は、大抵の場合「すみませんねぇ~、私がしますよ」などと言って、その場取り繕いの反応を示す。
・レビー小体型認知症の人は、「すみません」とお礼を言ってくれたり沈黙だったりする。 なにしろ、ボーっとしていることが多い、日によって状態が変わるからである。
・ピック病(FTD)の人は、無関心である。 たまに、怒って暴言を吐かれることもある。
・血管性認知症の人は様々である。 障害を受けた脳の部位によって違いがあるのかも知れないが、良く解らない。
・認知症ではない人は、例外なくお礼を言ってくれる。

最近知った、神経原線維変化型老年(期)認知症(senile dementia of the neurofibrillary tangle type;SD-NFT)と嗜銀顆粒性認知症(argyrophilic grain dementia;AGD)らしき人。 「らしき」なのは、これらをまだよく理解できていないけれど、共通するのは90歳~101歳で普通に生活している人達であるから。

この人達は、礼節正しくきちんとお礼を言ってくれるが、AGDかなとみているうちの一人は知らんフリすることが多いがまだよく分からない。 性格因子も関係するのか?

■手引き歩行は行進曲で
片手なり、両手なり手引き歩行が必要な人を介助する際に、「イッチ、ニッ、イッチ、ニッ、・・・」と声かけすると良いのだが、これでは楽しくない。
だから、2拍子の行進曲に替えてみた。 「見よ東海の空明けて、旭日高く輝けば・・・」(愛國行進曲)などと歌いながら歩行介助をやってみた。 
やはり、アルツハイマー型認知症の人にはウケが良い。


何気ない日常の所作であるが、こういうことをやっていると認知症のタイプ別に大まかな傾向が見えてくる。 そのタイプ別に接遇を臨機応変に切り替えているようにしている。 
そういう「流儀」を周囲の同僚は分かっていないから、私のことを「高齢者専門の詐欺師」と言う。 

但し、アルツハイマー型認知症の人に、その場凌ぎのでまかせを言ってでも不穏状態を諫めることはやっても、血管性認知症の人に絶対でまかせは言わない。 比較的、記憶力は保持されているからだ。
こういうことを知らない職員は、何気ない一言で利用者を怒らせたり、気持ちを傷つけたりすることを平気でやっている。