2014/06/11

どうやって認知症を勉強したらいいのか[5]

この拙いブログを更新してアクセス数が増えるに連れ、「どうやって認知症を勉強したらいいのか」シリーズが上位を占めた。 コウノメソッド実践医の先生方が今更「どうやって認知症を勉強したらいいの?」でもなかろうにと推察する。

これまでの同シリーズに書いたことはすべて事実であり実感であるのだが、敢えてもう1回だけシリーズを加筆することにした。 やはり、どのような学問とそこから派生する如何なる分野でも、「基礎」が重要であることに変わりはないのだから。
 
私の認知症に関する学習はすべて独学である。 独学なのだから、当初何か「ペースメーカー」となるようなものが欲しかった。 それで専門雑誌に目を付けた。 雑誌というのは、大体1年間で「主要な話題」は一巡するようにできている。  だから、数年間専門雑誌を読み通せば見通しが付くだろうと考えた。
今振り返ってみて、その目論見は正しかっただろうと思う。

しかし、だからと言って、下記に挙げるようなサブタイトルの雑誌を読みましょうと推奨していいのかどうかは些か躊躇せざるを得ない。 理由はご周知のとおり、抗認知症薬製造販売メーカーがスポンサーとなっている学会の雑誌・論文だからである。 
そういう「ネガティブなバイアスがかかっている」ということを重々理解した上で、認知症の基礎研究、概説・総説を読むとしたら、それは有益であると思う。
実際、私はこの雑誌を定期購読して、これを元に勉強を続けたことは基礎を固めるという意味で有意義であったと思う。 何故なら、コウノメソッドをすんなりと理解できたからである。

例えば、同じ工学と名が付いていても、「電子工学」と「電気工学」には一字違うだけだが厳密な意味で大きな差異がある。 隣接する学問だからといって、気軽に踏み込めるかというとなかなかそう簡単にはいかないと思う。 事実、私は前者の専攻であるが、後者にはまったく疎い。 年齢のせい、必要性の有無のこともあるが、今更後者をやろうとは思わない。 それだけ専門分野は高度に分業化されているのである。

素人が僭越な言い方をしてしまって失礼なのは重々承知だが、基本中の基本は確実におさえておかなければ応用が利かない。 「応用」とはコウノメソッドであると捉えていいと思う。 今まで認知症は、専門とする診療科目の傍らに診ていたという先生方も、これからは専門科目と同様にしっかりと診て行かねばならない時代になった。 

「基礎を学ぶ」という観点では、この学会誌も選択肢なのかなあと思うので、このシリーズに敢えて書き連ねておくことにした。 但し、製薬メーカーに遠慮しているということを念頭に置いて参考にすれば、ある意味最新情報源のひとつではある。 言うまでもなく、臨床の最新情報源は河野先生とコウノメソッド実践医の先生方の各ブログ等による症例報告である。

私が読んで独学の基礎とした学会誌(購読分の一部を記載)
【老年精神医学雑誌各号のメインテーマ】23巻8号  高齢者と脳内神経伝達機能    
増刊号-II  第27回日本老年精神医学会プログラム・抄録集    
増刊号-I  アルツハイマー病診察最前線における課題と展望    
22巻12号  認知症の終末期医療・ケア
22巻11号  認知症の神経心理学    
22巻10号  高齢者の生活支援のための心理検査の活かし方    
22巻9号  老年精神医学と脳循環代謝    
22巻8号  超高齢社会における精神病像の新しい側面    
22巻7号  高齢者の経済被害    
22巻6号 高齢者の社会的孤立と精神保健    
22巻5号 高齢者の精神障害と漢方    
増刊号-III 第26回日本老年精神医学会プログラム・抄録集  
22巻4号 成年後見制度の10年と老年精神医学    
22巻3号 認知症のリハビリテーション    
増刊号-II 認知症新薬の最先端  
22巻2号 レビー小体型認知症 ─Update
増刊号-I アルツハイマー型認知症の諸問題を再考する
22巻1号 認知症高齢者の相補代替医療(CAM)  

21巻12号 アルツハイマー病治療薬の現状と期待される治療薬
21巻11号 認知症のための医療資源整備をどう進めるか      21巻10号 認知症をめぐる教育の現状と課題    
21巻9号 高齢者の睡眠障害をめぐって  
21巻8号 BPSDの疾患別特徴-AD,DLB,FTD-  
21巻7号 老年精神医学と司法精神医学
21巻6号 高齢者の幻覚妄想 -妄想性同定錯誤症候群とその周辺-    
21巻5号 認知症の発症にかかわる遺伝子    
増刊号-II 第25回日本老年精神医学会プログラム・抄録集  
21巻4号 認知症疾患医療センター;認知症医療の要としての課題    
21巻3号 認知症と身体疾患
21巻2号 軽度認知症をスクリーニングするための神経心理学的検査
増刊号-I アルツハイマー型認知症
21巻1号 認知症者の尊厳は守られているか

20巻12号 認知症における摂食・嚥下障害
20巻11号 老年期にみられる症候から診断への手順
20巻10号 認知症の診療に役立つ神経心理学
20巻9号 老年精神医学とオミックス医療  
20巻8号 若年認知症に関する臨床上の問題  
増刊号‐III アルツハイマー型認知症のスキルアップを考える  
20巻7号 認知症と食
増刊号‐II 第24回日本老年精神医学会プログラム・抄録集  
20巻6号 認知症の経過・予後
20巻5号 高齢者のこころの健康と地域社会の創造


サブタイトルだけでは分かり辛いが、各号のメインテーマは繰り返し特集されるのである。